export

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export 宣言は、JavaScript モジュールから値をエクスポートするために使用されます。エクスポートされた値は import 宣言やダイナミックインポートによって、他のプログラムにインポートすることができます。インポートされたバインディングの値は、それをエクスポートするモジュールの変更の対象となります。モジュールがエクスポートするバインディングの値を更新すると、その更新はインポートされた値として見えます。

ソースファイルで export 宣言を使用するためには、そのファイルはランタイムによってモジュールとして解釈される必要があります。HTML では、<script> タグに type="module" を追加するか、他のモジュールにインポートされることで実現されます。モジュールは自動的に厳格モードで解釈されます。

構文

js
// 個々の機能をエクスポート
export let name1, name2/*, … */; // var も
export const name1 = 1, name2 = 2/*, … */; // var, let も
export function functionName() { /* … */ }
export class ClassName { /* … */ }
export function* generatorFunctionName() { /* … */ }
export const { name1, name2: bar } = o;
export const [ name1, name2 ] = array;

// リストをエクスポート
export { name1, /* …, */ nameN };
export { variable1 as name1, variable2 as name2, /* …, */ nameN };
export { variable1 as "string name" };
export { name1 as default /*, … */ };

// デフォルトエクスポート
export default expression;
export default function functionName() { /* … */ }
export default class ClassName { /* … */ }
export default function* generatorFunctionName() { /* … */ }
export default function () { /* … */ }
export default class { /* … */ }
export default function* () { /* … */ }

// モジュールの集約
export * from "module-name";
export * as name1 from "module-name";
export { name1, /* …, */ nameN } from "module-name";
export { import1 as name1, import2 as name2, /* …, */ nameN } from "module-name";
export { default, /* …, */ } from "module-name";
export { default as name1 } from "module-name";
nameN

エクスポートする識別子(他のスクリプトで import を介してインポートできるようにするため)。as でエイリアスを使用する場合、実際にエクスポートされる名前を文字列リテラルで指定することができますが、これは有効な識別子とは限りません。

解説

各モジュールでは、2 つの異なる種類のエクスポート、名前付きエクスポートデフォルトエクスポートを行うことができます。名前付きエクスポートはモジュールごとに複数持てますが、デフォルトエクスポートは 1 つのみです。それぞれのエクスポート方法は、上記の構文のひとつに対応します。

名前付きエクスポート:

js
// 事前に宣言された機能のエクスポート
export { myFunction2, myVariable2 };

// 個別の機能のエクスポート
// (var, let, const, function, class がエクスポート可能)
export let myVariable = Math.sqrt(2);
export function myFunction() {
  // …
}

export キーワードの後には、 let, const, var 宣言や、関数、クラス宣言を使用することができます。また、 export { name1, name2 } 構文を使用すると、他の場所で宣言された名前のリストをエクスポートすることができます。export {} は空のオブジェクトをエクスポートするわけではないことに注意してください。これは何もエクスポートしない(空の名前のリストをエクスポートする)ノーオペレーション宣言です。

エクスポート宣言は一時的なデッドゾーンのルールには従いません。X という名前自体が宣言される前に、そのモジュールが X をエクスポートすることを宣言することができます。

js
export { x };
const x = 1;
// これは、`export`が単なる宣言であり、`x`の値を利用しないので、
// 動作します。

デフォルトエクスポート:

js
// デフォルトとして事前に定義された機能のエクスポート
export { myFunction as default };
// これは次のものと同等です
export default myFunction;

// 個別の機能をデフォルトとしてエクスポート
export default function () { /* … */ }
export default class { /* … */ }

メモ: エクスポート宣言の名前は、互いに異なるものでなければなりません。重複した名前でエクスポートを実施したり、default のエクスポートを複数使用すると SyntaxError が発生し、モジュールが評価されなくなります。

export default 構文ではあらゆる式が許可されます。

js
export default 1 + 1;

特殊なケースとして、関数やクラスは式ではなく 宣言 としてエクスポートされ、これらの宣言は無名にすることができます。つまり、関数は巻き上げが行われることになります。

js
// これは `foo` は関数宣言であって、関数式ではないため動作します。
foo();

export default function foo() {
  console.log("Hi");
}

// 厳密には宣言であることに変わりはないが、無名であることが許されます。
export default function () {
  console.log("Hi");
}

名前付きエクスポートは、複数の値をエクスポートする必要がある場合に有益です。このモジュールをインポートするときは、名前付きエクスポートでは全く同じ名前で参照しなければなりませんが(任意で as で名前を変更できます)、デフォルトエクスポートは何か名前を付けてインポートすることができます。例を示します。

js
// ファイル test.js
const k = 12;
export default k;
js
// 他のファイル
import m from "./test"; // k がデフォルトエクスポートなので、インポートする k の代わりに m を使用することができる点に注意してください
console.log(m); // 12

名前の競合を防ぐために、名前付きエクスポートの名前を変更することもできます。

js
export { myFunction as function1, myVariable as variable };

文字列リテラルを使用すると、名前を有効な識別子以外のものに変更することができます。例えば次のようします。

js
export { myFunction as "my-function" };

再エクスポート / 集約

親モジュール内の異なるモジュールから「インポート/エクスポート」して、そのモジュールからインポートできるようにすることも可能です。言い換えれば、様々なモジュールからの様々なエクスポートを集約した 1 つのモジュールを作成することができます。

これは "export from" 構文で実現できます。

js
export { default as function1, function2 } from "bar.js";

これは、 function1function2 がカレントモジュール内で利用できないことを除けば、import と export の組み合わせと同じです。

js
import { default as function1, function2 } from "bar.js";
export { function1, function2 };

ほとんどの "import from" 構文には対応する "export from" 構文があります。

js
export { x } from "mod";
export { x as v } from "mod";
export * as ns from "mod";

また、import * from "mod" はありませんが、export * from "mod" はあります。これで mod からのすべての 名前付き エクスポートが現在のモジュールの名前付きエクスポートとして再エクスポートされますが、 mod のデフォルトエクスポートは再エクスポートされません。もし、暗黙のうちに同じ名前を再エクスポートする 2 つのワイルドカードの export 文があった場合、どちらも再エクスポートされません。

js
// -- mod1.js --
export const a = 1;

// -- mod2.js --
export const a = 3;

// -- barrel.js --
export * from "./mod1.js";
export * from "./mod2.js";

// -- main.js --
import * as ns from "./barrel.js";
console.log(ns.a); // undefined

重複した名前を直接インポートしようとすると、エラーが発生します。

js
import { a } from "./barrel.js";
// SyntaxError: The requested module './barrel.js' contains conflicting star exports for name 'a'

以下は、import に対応するものですが、構文的には無効です。

js
export DefaultExport from "bar.js"; // Invalid

正しい方法は、エクスポートの名前を変更することです。

js
export { default as DefaultExport } from "bar.js";

export from" 構文では、as トークンを省略することができます。これにより、デフォルトエクスポートはデフォルトエクスポートとして再エクスポートされたままとなります。

js
export { default, function2 } from "bar.js";

export fromimport が対応しているすべての機能に対応しています。例えばインポート属性などです。

js
export { default } from "./data.json" with { type: "json" };

名前付きエクスポートの使用

my-module.js モジュールの中で、以下のコードを含めることができます。

js
// "my-module.js" モジュール
function cube(x) {
  return x * x * x;
}

const foo = Math.PI + Math.SQRT2;

const graph = {
  options: {
    color: "white",
    thickness: "2px",
  },
  draw() {
    console.log("From graph draw function");
  },
};

export { cube, foo, graph };

HTML ページの中に含まれる最上位モジュールの中では、次のようにすることができます。

js
import { cube, foo, graph } from "./my-module.js";

graph.options = {
  color: "blue",
  thickness: "3px",
};

graph.draw(); // "From graph draw function" と記録
console.log(cube(3)); // 27
console.log(foo); // 4.555806215962888

以下の点に注意することが重要です。

  • このスクリプトを HTML の <script> 要素で type="module" を指定したものに入れる必要があり、そうすれば適切にモジュールとして認識され、扱われます。
  • file:// の URL で JavaScript モジュールを実行することはできません。— CORS エラーになります。HTTP サーバーを通して実行する必要があります。

デフォルトエクスポートの使用

値をひとつエクスポートしたい、あるいはモジュールでフォールバック先の値を持ちたい場合は、デフォルトエクスポートを使用するとよいでしょう。

js
// module "my-module.js"

export default function cube(x) {
  return x * x * x;
}

別のスクリプトからの、デフォルトエクスポートのインポートは直観的です。

js
import cube from "./my-module.js";
console.log(cube(3)); // 27

export from の使用

以下のような階層がある場合を例に考えてみましょう。

  • childModule1.js: myFunction および myVariable をエクスポート
  • childModule2.js: myClass をエクスポート
  • parentModule.js: 集約元として機能する(他には何もしない)
  • 最上位モジュールである parentModule.js のエクスポートを利用する

コードスニペットを使うとこのような感じになります。

js
// childModule1.js 内
function myFunction() {
  console.log("Hello!");
}
const myVariable = 1;
export { myFunction, myVariable };
js
// childModule2.js 内
class MyClass {
  constructor(x) {
    this.x = x;
  }
}

export { MyClass };
js
// parentModule.js
// childModule1 と childModule2 からのエクスポートを
// 集約して再エクスポートする
export { myFunction, myVariable } from "childModule1.js";
export { MyClass } from "childModule2.js";
js
// 最上位モジュール
// parentModule にモジュールが集約しているので、
// 単一のモジュールからエクスポートを利用できます。
import { myFunction, myVariable, MyClass } from "parentModule.js";

仕様書

Specification
ECMAScript Language Specification
# sec-exports

ブラウザーの互換性

BCD tables only load in the browser

関連情報