void 演算子
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void
演算子は与えられた式 (expression
) を評価し、undefined
を返します。
試してみましょう
構文
void expression;
解説
この演算子により、何らかの値を生成する評価式を、式が undefined
と評価されることが望ましい場面に置くことができます。
void
演算子は、よく単にプリミティブ値 undefined
を得る目的で使われ、一般的に "void(0)
" と書かれます(これは "void 0
" と等価です)。この目的であれば、グローバル変数 undefined
を使用することができます。
なお、void
演算子の 優先順位 を考慮するべきであり、括弧は void
演算子に続く式の解決を明確にするのに役立つとされています。
void 2 == "2"; // (void 2) == '2', false を返す
void (2 == "2"); // void (2 == '2'), undefined を返す
例
即時実行関数式
即時実行関数式 を使用する場合、 void
により function
キーワードが宣言ではなく式として扱うよう強制することができます。
void (function iife() {
console.log("Executed!");
})();
// Output: "Executed!"
上記の関数を void
キーワードなしで実行すると、捕捉されない SyntaxError が発生します。
JavaScript URI
javascript:
の URI に対応しているブラウザーでは、 URI の中のコードを評価し、返値が undefined
でない限り、返された値でページの内容を置き換えます。 void
演算子は、undefined
を返すために使用できます。
<a href="javascript:void(0);"> Click here to do nothing </a>
<a href="javascript:void(document.body.style.backgroundColor='green');">
Click here for green background
</a>
メモ: javascript:
擬似プロトコルは控えめなイベントハンドラーなどの代替であり、積極的に使用するべきではないでしょう。
アロー関数からのリーク防止
アロー関数は略式の中括弧のない構文を導入しており、式を返します。 これは、以前は何も返さなかった関数呼び出しの結果を返すことで、意図しない副作用を引き起こす可能性があります。関数の返値が使用されないことを想定している場合は、安全のため void 演算子に渡すことで、(例えば) API の変更によってアロー関数の動作が変更されないようにすることができます。
button.onclick = () => void doSomething();
これにより、 doSomething
の返値が undefined
から true
に変わっても、このコードの動作が変わらないことが保証されます。
仕様書
Specification |
---|
ECMAScript Language Specification # sec-void-operator |
ブラウザーの互換性
BCD tables only load in the browser