Firefox 131 for developers
このページでは、開発者に影響する Firefox 131 の変更点をまとめています。Firefox 131 は、米国時間 2024 年 10 月 1 日 にリリースされました。
ウェブ開発者向けの変更点一覧
CSS
- Anchor Positioning のさらなる実装の準備として、
inset-area
CSS プロパティをposition-area
に改名しました。現在、このプロパティは値を解析するために内部で使用するのみです。Anchor Positioning の機能は、設定で制御した上で順次ロールアウトしています。詳しくは Firefox における実験的機能: CSS Anchor Positioning をご覧ください (Firefox bug 1909358、Firefox bug 1838746)。
JavaScript
Iterator.prototype.drop()
、Iterator.prototype.every()
、Iterator.prototype.filter()
、Iterator.prototype.find()
、Iterator.prototype.flatMap()
、Iterator.prototype.forEach()
、Iterator.prototype.map()
、Iterator.prototype.reduce()
、Iterator.prototype.some()
、Iterator.prototype.take()
を含む、同期イテレーターヘルパーをサポートしました。これらのヘルパーは、中間的なArray
オブジェクトを作成する必要なくイテレーターでArray
のような操作を可能にします。また、中間的なArray
を作成できない大量のデータセットでも使用できます。詳しくはIterator
インターフェイスの Iterator helpers をご覧ください (Firefox bug 1896390)。
HTTP
SameSite=None
の属性値を持つSet-Cookie
HTTP ヘッダーは、Secure
属性も持つことが必要になりました。これは、SameSite=None
を設定した Cookie が HTTPS 接続だけで送信されることを保証します。また、Firefox は値が不特定なSameSite
をSameSite=None
とみなすため、SameSite
を指定していない Cookie も同じ制約があります (Firefox bug 1909673)。- Cookies Having Independent Partitioned State (CHIPS)、いわゆる "Partitioned Cookies" をサポートしました。
この機能は開発者が
Set-Cookie
HTTP ヘッダーのpartitioned
ディレクティブを使用して、Cookie を分割された記憶領域へ保存できるようにします。これを設定すると Cookie がトップレベルごとに分割された記憶領域に保存されて、同じトップレベルサイトかサブドメインに限り読み取れるようになります。これはクロスサイトトラッキングを防ぎながら、サイトのさまざまなサブドメインにわたって埋め込み地図やチャットウィジェットの状態を維持するなどの、適切なサードパーティ Cookie の利用を可能にします (Firefox bug 1908160)。
API
PointerEvent
インターフェイスのaltitudeAngle
およびazimuthAngle
プロパティをサポートしました。- それぞれポインターやスタイラスと画面 (X 軸 -Y 軸の面) の角度、および画面上で X 軸に対するスタイラスの回転角を示します (Firefox bug 1656377)。- テキストフラグメント をサポートしました。ユーザーがウェブページのテキストの一部分にリンクおよびハイライト表示することを可能にします。この機能はURL フラグメント で、表示されるテキストのパターンに基づいて対象を識別する特定の構文を使用します。
開発者は
Document.fragmentDirective
プロパティ (FragmentDirective
インターフェイスのインスタンス) の存在によって、テキストフラグメントをサポートしているか確認できます。また、::target-text
擬似要素を使用して、テキストフラグメントリンクで指定されたテキストの選択およびスタイル設定が可能です (Firefox bug 1914877)。 Document
インターフェイスのcaretPositionFromPoint()
メソッドを、キャレットの位置に対応するシャドウルートがメソッドに渡されていればシャドウ DOM におけるキャレット位置のテキストノードとオフセットを返すように更新しました。ShadowRoot
オブジェクトは、新たに追加された引数options
のshadowRoots
プロパティを使用してメソッドに渡すことができます (Firefox bug 1914596)。
WebAssembly
exnref
の値を持つ新たな例外参照を、WebAssembly と JavaScript の間の双方向の 例外処理 の支援に使用できるようになりました (Firefox bug 1908375)。
WebDriver への適合 (WebDriver BiDi, Marionette)
一般
- WebDriver Classic および BiDi の双方で、
keyUp
およびkeyDown
アクションがvalue
で複数の文字を受け入れないようになりました (Firefox bug 1910352)。
WebDriver BiDi
network.continueResponse
コマンドの残りの引数をサポートしました:- 引数 cookies および headers (Firefox bug 1853887)。
- 引数
statusCode
(例: 200, 304) およびreasonPhrase
(例: "OK"、"Not modified") (Firefox bug 1913737)。
- 引数
wait
がnone
である場合にbrowsingContext.navigate
コマンドが返りbeforeunload
プロンプトが発生するようになりました (Firefox bug 1763134)。 - 仕様書の要求に従って、ナビゲーションが失敗したすべてのケースで
browsingContext.navigate
コマンドがunknown error
を返すようになりました (Firefox bug 1905083)。 session.new
コマンドは、クライアントが引数で指定していない場合にunhandledPromptBehavior
機能をレスポンスに含めないようになりました (Firefox bug 1909455)。
アドオン開発者向けの変更点一覧
- Nightly 版のFirefox 131 で、
storage.session
API で保存するデータに 10 MB の上限が強制されるようになりました。以前の Firefox は上限を実装していませんでした。この制限は Firefox 134 からリリース版にロールアウトします (Firefox bug 1915688)。これにより、以前の動作に依存する拡張機能が問題を修正できるようになります (Firefox bug 1908925)。 storage.session
がstorage.StorageArea.getBytesInUse()
API およびstorage.session.QUOTA_BYTES
プロパティをサポートしました (Firefox bug 1908925)。tabs.update()
でopenerTabId
が変更されたときにtabs.onUpdated
が発生するようになりました (Firefox bug 1409262)。openerTabId
をクリアーするため、tabs.update
でopenerTabId
に-1
を設定することが可能になりました (Firefox bug 1409262)。
実験的なウェブ機能
以下の機能は Firefox 131 で新たに導入しましたが、デフォルトで無効です。これらを実験するには、about:config
ページで適切な設定項目を検索して true
に設定してください。実験的機能 のページで、さらに多くの機能を確認できます。
-
正規表現の (?ims-ims:...) モディファイアー:
javascript.options.experimental.regexp_modifiers
。正規表現の (?ims-ims:...) モディファイアーは、正規表現パターンの特定の一部分に限って効果がある変更を行えます (Firefox bug 1899813)。
-
マイクとカメラの権限:
permissions.media.query.enabled
。マイクやカメラへのアクセスが許可されているか拒否されているか、またはユーザーの承諾が必要な状態かを確認するため、
Permissions.query()
メソッドでmicrophone
およびcamera
の 権限 が使用可能になりました (Firefox bug 1609427 および Firefox bug 1915222)。
過去のバージョン
- Firefox 130 for developers
- Firefox 129 for developers
- Firefox 128 for developers
- Firefox 127 for developers
- Firefox 126 for developers
- Firefox 125 for developers
- Firefox 124 for developers
- Firefox 123 for developers
- Firefox 122 for developers
- Firefox 121 for developers
- Firefox 120 for developers
- Firefox 119 for developers
- Firefox 118 for developers
- Firefox 117 for developers
- Firefox 116 for developers
- Firefox 115 for developers
- Firefox 114 for developers
- Firefox 113 for developers
- Firefox 112 for developers
- Firefox 111 for developers
- Firefox 110 for developers
- Firefox 109 for developers
- Firefox 108 for developers
- Firefox 107 for developers
- Firefox 106 for developers
- Firefox 105 for developers
- Firefox 104 for developers
- Firefox 103 for developers
- Firefox 102 for developers
- Firefox 101 for developers
- Firefox 100 for developers