Firefox 131 for developers

このページでは、開発者に影響する Firefox 131 の変更点をまとめています。Firefox 131 は、米国時間 2024 年 10 月 1 日 にリリースされました。

ウェブ開発者向けの変更点一覧

CSS

JavaScript

HTTP

  • SameSite=None の属性値を持つ Set-Cookie HTTP ヘッダーは、Secure 属性も持つことが必要になりました。これは、SameSite=None を設定した Cookie が HTTPS 接続だけで送信されることを保証します。また、Firefox は値が不特定な SameSiteSameSite=None とみなすため、SameSite を指定していない Cookie も同じ制約があります (Firefox bug 1909673)。
  • Cookies Having Independent Partitioned State (CHIPS)、いわゆる "Partitioned Cookies" をサポートしました。 この機能は開発者が Set-Cookie HTTP ヘッダーの partitioned ディレクティブを使用して、Cookie を分割された記憶領域へ保存できるようにします。これを設定すると Cookie がトップレベルごとに分割された記憶領域に保存されて、同じトップレベルサイトかサブドメインに限り読み取れるようになります。これはクロスサイトトラッキングを防ぎながら、サイトのさまざまなサブドメインにわたって埋め込み地図やチャットウィジェットの状態を維持するなどの、適切なサードパーティ Cookie の利用を可能にします (Firefox bug 1908160)。

API

  • PointerEvent インターフェイスの altitudeAngle および azimuthAngle プロパティをサポートしました。- それぞれポインターやスタイラスと画面 (X 軸 -Y 軸の面) の角度、および画面上で X 軸に対するスタイラスの回転角を示します (Firefox bug 1656377)。
  • テキストフラグメント をサポートしました。ユーザーがウェブページのテキストの一部分にリンクおよびハイライト表示することを可能にします。この機能はURL フラグメント で、表示されるテキストのパターンに基づいて対象を識別する特定の構文を使用します。 開発者は Document.fragmentDirective プロパティ (FragmentDirective インターフェイスのインスタンス) の存在によって、テキストフラグメントをサポートしているか確認できます。また、::target-text 擬似要素を使用して、テキストフラグメントリンクで指定されたテキストの選択およびスタイル設定が可能です (Firefox bug 1914877)。
  • Document インターフェイスの caretPositionFromPoint() メソッドを、キャレットの位置に対応するシャドウルートがメソッドに渡されていればシャドウ DOM におけるキャレット位置のテキストノードとオフセットを返すように更新しました。ShadowRoot オブジェクトは、新たに追加された引数 optionsshadowRoots プロパティを使用してメソッドに渡すことができます (Firefox bug 1914596)。

WebAssembly

  • exnref の値を持つ新たな例外参照を、WebAssembly と JavaScript の間の双方向の 例外処理 の支援に使用できるようになりました (Firefox bug 1908375)。

WebDriver への適合 (WebDriver BiDi, Marionette)

一般

  • WebDriver Classic および BiDi の双方で、keyUp および keyDown アクションが value で複数の文字を受け入れないようになりました (Firefox bug 1910352)。

WebDriver BiDi

  • network.continueResponse コマンドの残りの引数をサポートしました:
  • 引数 waitnone である場合に browsingContext.navigate コマンドが返り beforeunload プロンプトが発生するようになりました (Firefox bug 1763134)。
  • 仕様書の要求に従って、ナビゲーションが失敗したすべてのケースで browsingContext.navigate コマンドが unknown error を返すようになりました (Firefox bug 1905083)。
  • session.new コマンドは、クライアントが引数で指定していない場合に unhandledPromptBehavior 機能をレスポンスに含めないようになりました (Firefox bug 1909455)。

アドオン開発者向けの変更点一覧

実験的なウェブ機能

以下の機能は Firefox 131 で新たに導入しましたが、デフォルトで無効です。これらを実験するには、about:config ページで適切な設定項目を検索して true に設定してください。実験的機能 のページで、さらに多くの機能を確認できます。

  • 正規表現の (?ims-ims:...) モディファイアー: javascript.options.experimental.regexp_modifiers

    正規表現の (?ims-ims:...) モディファイアーは、正規表現パターンの特定の一部分に限って効果がある変更を行えます (Firefox bug 1899813)。

  • マイクとカメラの権限: permissions.media.query.enabled

    マイクやカメラへのアクセスが許可されているか拒否されているか、またはユーザーの承諾が必要な状態かを確認するため、Permissions.query() メソッドで microphone および camera権限 が使用可能になりました (Firefox bug 1609427 および Firefox bug 1915222)。

過去のバージョン