revert

Baseline Widely available

This feature is well established and works across many devices and browser versions. It’s been available across browsers since July 2020.

revert は CSS のキーワードで、現在の要素にカスケードされたプロパティの値を、現在のスタイルオリジンが変更を行わなければそのプロパティが持っていたであろう値に戻します。したがって、プロパティは、ユーザーエージェント設定値、ユーザー設定値、継承値(継承可能な場合)、または初期値のいずれかにリセットされます。これは、 CSS の一括指定プロパティ all を含め、あらゆる CSS プロパティに適用することができます。

このキーワードは、ロールバックされるスタイルに到達するまで、オーバーライドされたすべてのスタイルをカスケードから削除します。

  • サイト独自のスタイル(作成者のオリジン)で使用された場合、 revert はプロパティのカスケードされた値を、ユーザー独自のスタイルが存在する場合はそのスタイルにロールバックし、それ以外の場合はユーザーエージェントの既定のスタイルにロールバックします。
  • ユーザー独自のスタイルシートで使用された場合、またはスタイルがユーザーによって適用された場合(ユーザーオリジン)、 revert はカスケードされた値をユーザーエージェントの既定のスタイルにロールバックします。
  • ユーザーエージェントの既定のスタイル内で使用された場合、このキーワードは機能的に unset と等価です。

revert キーワードは多くの場合、 unset とまったく同じ動作をします。唯一の違いは、ブラウザーやユーザーによって作成された独自スタイルシート(ブラウザー側に設定されたもの)が設定した値があるプロパティについてです。

revert は、リセットした要素の子に適用されているルールには影響しません(ただし、子に対する親のルールの効果は除去されます)。つまり、すべてのセクションに color: green を設定し、特定のセクションに all: revert を設定した場合、そのセクションの色は黒になります。しかし、すべての段落を赤にするルールがある場合、すべての段落はすべてのセクションで赤のままです。

メモ: revert は単なる値です。 revert の値は詳細度を使用して上書きすることができます。

メモ: revert キーワードは initial キーワードとは異なりますし、混同しないでください。これは CSS の仕様書でプロパティごとに定義された初期値です。それに対して、既定値はユーザーエージェントのスタイルシートが CSS セレクターに基づいて定義しています。

例えば、 display プロパティの初期値inline ですが、普通のユーザーエージェントスタイルシートは、 display の既定値を <div> では block<table> では table というように設定します。

revert と unset

revertunset は似ていますが、一部の要素、一部のプロパティでは異なります。

以下の例では、グローバルスタイルシートで独自の font-weight を設定していますが、 HTML 文書のインラインで revert および unset を適用しようとしています。 revert キーワードはテキストを太字に戻します。これはほとんどのブラウザーで見出しの既定値だからです。 unset キーワードは、継承されたプロパティとして、 font-weight の値を本体から継承するため、テキストを通常のままにします。

HTML

html
<h3 style="font-weight: revert; color: revert;">
  これは元の font-weight (bold) と color: black です
</h3>
<p>いくらかのテキスト</p>
<h3 style="font-weight: unset; color: unset;">
  これは font-weight: normal ですが、 color: black になります
</h3>
<p>いくらかのテキスト</p>

CSS

css
h3 {
  font-weight: normal;
  color: blue;
}

結果

すべてを revert

すべての値を revert することは、何かを大きく変更した後、既定値に戻したい場合に有効です。つまり、上で font-weightcolor を別個に戻す代わりに、allrevert キーワードを適用することで、これらをすべて一度に戻すことができます。

HTML

html
<h3>ここは独自のスタイルです</h3>
<p>いくらかのテキスト</p>
<h3 style="all: revert">これはブラウザーやユーザーの既定値に戻されます</h3>
<p>いくらかのテキスト</p>

CSS

css
h3 {
  font-weight: normal;
  color: blue;
  border-bottom: 1px solid grey;
}

結果

親で revert

revert は、何らかのルールで選択した要素の値を、その要素に限って効果的に削除します。例として、セクションに緑色、段落に赤色を設定します。

HTML

html
<main>
  <section>
    <h3>これは深緑になります</h3>
    <p>この段落のテキストは赤になります。</p>
    これも深緑になります。
  </section>
  <section class="with-revert">
    <h3>これは黒になります</h3>
    <p>この段落のテキストは赤になります。</p>
    これも黒になります。
  </section>
</main>

CSS

css
main {
  color: steelblue;
}
section {
  color: darkgreen;
}
p {
  color: red;
}
section.with-revert {
  color: revert;
}

結果

section の color プロパティが元に戻されたにもかかわらず、段落の色が赤のままであることに注目してください。また、ヘッダーとプレーンテキストノードの両方が黒色であることにも注意してください。これは、 2 番目のセクションに section { color: darkgreen; } が存在しないのとまったく同じです。

また、ユーザーエージェントもユーザーも <h3><section> の色の値を上書きしない場合、color プロパティは継承プロパティであるため、steelblue の色は <main> から継承されます。

仕様書

Specification
CSS Cascading and Inheritance Level 4
# default

ブラウザーの互換性

BCD tables only load in the browser

関連情報

  • initial を使用すると、プロパティを初期値に設定します。
  • inherit キーワードを使用すると、要素のプロパティを親と同じ値にします。
  • revert-layer キーワードを使用すると、プロパティを直前のカスケードレイヤーで確立された値に戻します。
  • unset キーワードを使用すると、継承プロパティは継承値に、それ以外は初期値に設定します。
  • all プロパティは、すべてのプロパティを一度に initial, inherit, revert, unset の状態にします。