拡張機能の中身
拡張機能は複数のファイルで構成されており、それらのファイルが配布・インストール用にパッケージ化されたものです。この記事では、拡張機能に含まれるファイルについて簡単に説明します。
manifest.json
どの拡張機能においても不可欠な唯一のファイルです。このファイルには名前やバージョン、必要とするパーミッションなど、拡張機能に関する基本的なメタデータが含まれます。加えて、アドオンに含まれている他のファイルへの参照も含んでいます。
このマニフェストには、下記のファイルに対する参照を含めることができます。
- バックグラウンドスクリプト
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長時間動作するロジックを実装します。
- アイコン
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拡張機能とそれが定義するボタンのアイコン。
- サイドバー、ポップアップ、オプションページ
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色々な UI コンポーネントを提供する HTML 文書です。
- コンテンツスクリプト
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拡張機能に含まれる JavaScript で、ウェブページに挿入するもの
- ウェブでアクセス可能なリソース
-
まとめられたコンテンツをウェブページやコンテンツスクリプトにアクセス可能とする。
詳細は manifest.json
のリファレンスを参照してください。
マニフェストに載っているものの他に、拡張機能はサポートするファイルの拡張機能ページを持つことができます。
バックグラウンドスクリプト
拡張機能には、特定のウェブページやブラウザーウィンドウの寿命とは無関係に、長期的な状態を維持したり、長期的な処理を実行したりする必要があることがよくあります。そのためのものがバックグラウンドスクリプトです。
バックグラウンドスクリプトには、永続的なものと永続的でないものがあります。永続的なバックグラウンドスクリプトは、拡張機能が読み込まれるとすぐに読み込まれ、拡張機能が無効化されるかアンインストールされるまで読み込まれたままになります。このバックグラウンドスクリプトの動作は、Manifest V2 でのみ利用可能です。永続的でないバックグラウンドスクリプトは、イベントに応答するために必要なときに読み込まれ、アイドル状態になるとアンロードされます。このバックグラウンド スクリプト動作は、Manifest V2 ではオプションであり、Manifest V3 で利用可能な唯一のバックグラウンド スクリプト動作です。
スクリプト中で WebExtension API を、あらかじめ要求された必要なパーミッションの限りにおいて使うことができます。
詳しくはバックグラウンドスクリプトの記事をご覧ください。
サイドバー、ポップアップ、オプションページ
拡張機能には HTML 文書で中身を決めたいろいろなユーザーインターフェイスコンポーネントを入れる事ができます。
- サイドバー
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ブラウザーウィンドウの左側の、ウェブページの横に表示されるペインです。
- ポップアップ
- オプションページ
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ユーザーがブラウザーネイティブのアドオンマネージャー内でアドオン設定にアクセスする時に表示するページです。
各コンポーネント用に、HTML ファイルと、それを指定する manifest.json の特定プロパティを作成します。HTML ファイルには、通常のウェブページと同様に、CSS と JavaScript ファイルを入れる事ができます。
これらのすべては拡張機能ページの一種で、通常のウェブページと異なり、JavaScript はバックグラウンドスクリプトと同じ権限で WebExtension API を使用できます。
拡張機能ページ
拡張機能に事前定義された UI コンポーネントに属さない HTML 文書を入れることもできます。サイドバー、ポップアップ、オプションページに提供されるドキュメントと違って、これは manifest.json
内にエントリーがないです。しかし、バックグラウンドスクリプトと同様に権限のある WebExtension API のすべてにアクセスできます。
典型的には windows.create()
か tabs.create()
を使ってページを読み込みます。
詳しくは拡張機能ページを見てください。
コンテンツスクリプト
ウェブページにアクセスして操作するにはコンテンツスクリプトが用いられます。コンテンツスクリプトは ウェブページに読み込まれて実行されます。
コンテンツスクリプトはアドオンが提供するスクリプトであり、ウェブページのコンテキスト内で動作します。このため、<script>
要素で取得されたものなど、そのページ自身が読み込んだスクリプトとは異なります。
ウェブページに読み込まれた通常のスクリプトと同様に、コンテンツスクリプトも ウェブページの DOM へアクセスできます。
通常のスクリプトと異なるのは、コンテンツスクリプトで以下のことが可能な点です。
- クロスドメインの XHR リクエストを作成できる
- WebExtension API の小さなサブセットを利用できる
- バックグラウンドスクリプトとメッセージの交換ができ、この方法ですべての WebExtension API に間接的にアクセスできる
コンテンツスクリプトから通常のスクリプトに直接アクセスすることはできませんが、標準化されている window.postMessage()
API を用いれば、スクリプト間でメッセージを交換することが可能です。
ここでの議論対象であるコンテンツスクリプトとは基本的に JavaScript のことを指していますが、先ほどと同じ方法で ウェブページに CSS を差し込むこともできます。
詳しくは コンテンツスクリプトの記事を参照してください。
ウェブでアクセス可能なリソース
ウェブでアクセス可能なリソースとは、拡張機能にインクルードしてコンテンツスクリプトや ウェブページのスクリプトからアクセスできるリソースのことであり、代表的なものは画像や HTML / CSS / JavaScript です。ウェブでアクセス可能なリソースは、特殊な URI スキームを介して ウェブページのスクリプトやコンテンツスクリプトから参照できます。
例えばコンテンツスクリプトから ウェブページ内に画像を挿入したい場合、拡張機能に画像をインクルードしてウェブでアクセス可能とし、画像を src
属性で参照する img
タグをコンテンツスクリプトが作成して ウェブページに追加する、といったシナリオが考えられます。
詳細は、 manifest.json
のキーである "web_accessible_resources"
のドキュメントを見てください。