Number.EPSILON
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Number.EPSILON
プロパティは、1 と 1 より大きな最小の浮動小数点数の差を表します。
試してみましょう
値
2-52、またはおよそ 2.2204460492503130808472633361816E-16
。
Number.EPSILON のプロパティ属性 |
|
---|---|
書込可能 | 不可 |
列挙可能 | 不可 |
設定可能 | 不可 |
解説
Number.EPSILON
は、1 と数値形式で表現できる次に大きな数値との差です。これは、倍精度浮動小数点数形式では仮数部を 52 ビットでしか表現できず、最低ビットは 2-52 で表されるためです。
なお、浮動小数点数の絶対精度は、数が大きくなるにつれ、指数が大きくなる一方で仮数部の精度は変わらないため、低下します。Number.MIN_VALUE
は表現可能な正の数の最小値であり、Number.EPSILON
よりもはるかに小さいものです
EPSILON
は Number
の静的プロパティなので、数値のプロパティとしてではなく、常に Number.EPSILON
として使用しています。
例
同等性のテスト
10 進数や 2 進数など、どのような基数を選んでも、有限のビット数を占める数字エンコーディングシステムは、必然的にすべての数字を正確に表すことができません。なぜなら、有限のメモリーを使用して、数直線上の無限の点を表現しようとすることになるからです。例えば、10 進法では 1/3 を正確に表せませんし、2 進法では 0.1
を正確に表せません。したがって、例えば、0.1 + 0.2
は 0.3
と正確に等しくはなりません。
console.log(0.1 + 0.2); // 0.30000000000000004
console.log(0.1 + 0.2 === 0.3); // false
このため、浮動小数点数で ===
と比較してはいけないというアドバイスがたくさんあります。その代わりに、異なる 2 種類の数値が十分に近い場合には、等しいとみなすことができます。EPSILON
は、要するに 1
という数字がどの程度正確かを指定するものなので、演算結果が 1
程度の大きさであれば、通常 Number.EPSILON
定数がエラーに対する妥当な閾値となります。
function equal(x, y) {
return Math.abs(x - y) < Number.EPSILON;
}
const x = 0.2;
const y = 0.3;
const z = 0.1;
console.log(equal(x + z, y)); // true
しかし、Number.EPSILON
は、それ以上の大きさの演算処理を行う場合には不適切です。もしデータが 103 程度の大きさであれば、小数点以下の部分は Number.EPSILON
よりもずっと小さな精度を持つことになります。
function equal(x, y) {
return Math.abs(x - y) < Number.EPSILON;
}
const x = 1000.1;
const y = 1000.2;
const z = 2000.3;
console.log(x + y); // 2000.3000000000002; error of 10^-13 instead of 10^-16
console.log(equal(x + y, z)); // false
この場合、より大きな公差が必要となります。比較する数値の大きさはおよそ 2000
であるので、2000 * Number.EPSILON
のような乗数で、この例では十分な許容範囲を作ることができます。
function equal(x, y, tolerance = Number.EPSILON) {
return Math.abs(x - y) < tolerance;
}
const x = 1000.1;
const y = 1000.2;
const z = 2000.3;
console.log(equal(x + y, z, 2000 * Number.EPSILON)); // true
大きさだけでなく、入力の精度も考慮することが重要です。例えば、数値がフォーム入力から収集され、入力値が 0.1
のステップでしか調整できない場合(すなわち <input type="number" step="0.1">
)、データは 0.1
の精度しかないので通常は 0.01
など、はるかに大きな許容差を認めることを意味します。
メモ: 有益な教訓:等値検査の閾値として、単純に Number.EPSILON
を使用しないでくださ い。比較する数値の大きさや精度に適した閾値を使用してください。
仕様書
Specification |
---|
ECMAScript Language Specification # sec-number.epsilon |
ブラウザーの互換性
BCD tables only load in the browser
関連情報
Number.EPSILON
のポリフィル (core-js
)- 所属先の
Number
オブジェクト